たまねぎは他の野菜に比べて目立った栄養素はありませんが、薬効成分を豊富に含んでいます。その代表格が硫化アリルです。この硫化アリルとはタマネギ特有の刺激成分で、タマネギを切ったときに目がしみる原因でもあります。この硫化アリルには非常に強い血栓予防効果があります。
血栓が血液中にできてしまうと血管がつまる原因にもなります。もともと血液には固まる性質があるのですが、コレステロールや中性脂肪が増えるとよりいっそう固まりやすくなります。すると血の固まり(血栓)ができ、血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしやすくなってしまうのです。タマネギに含まれる硫化アリルにはこの血栓ができるのを防ぐ働きがあるのです。
また硫化アリルには、ビタミンB1の吸収を助けたり、効果を持続させる働きがあります。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関わっているほか、疲労回復やイライラの解消、精神安定に効果があります。よってビタミンB1を多く含む豚肉などと一緒に摂取する事でより効果が期待できます。このほか血中の善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを減らす作用もあるほか、血圧を下げる働きもあります。
タマネギにはほかにも血糖値を下げるジスルフィド類や血栓を予防するピラジンなども含まれています。このジスルフィド類は加熱すると砂糖よりも甘くなります。タマネギを加熱調理すると甘くなるのはこのためです。
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